植民地と宗主国の関係にあった歴史的経緯からアフリカ各地に多くの拠点や情報網を持つ欧州の企業と比べて、日本企業のアフリカ進出は遅れている。そんななかで、着実にアフリカでの存在感を上げているのは住友化学だ。
その原動力となっているのが、マラリアを媒介する蚊から身を守るために、防虫剤を練りこんだ同社の蚊帳「オリセットネット」である。
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じつは蚊帳事業から生まれる社会貢献は、それだけではない。
アフリカは現金収入がある職が極めて限られた地域だが、住友化学のタンザニアの工場では、「直接雇用だけで3200人、運送や補修など周辺ビジネスも考えれば3〜4倍の雇用を生み出している」(米倉社長)という。